2022年8月 2日 (火)

2022 年度 メンバーからの感想(五嶋みどり)

本日は当法人の理事長・五嶋みどりからの感想をご紹介します!

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今回は2019年6月以来のICEP日本ツアーでした。水際対策が緩められつつとは言え、まだ入国制限が多く残る状況の中で全員無事に入国ビザを取得、日本行きの飛行機に搭乗、成田空港での入国検査を終えたときはホッとしたのもつかの間、今度は渡航制限で航空会社が空港の従業員を減らした名残りで、預けた荷物は消える、成田には延着、で大阪への乗り継ぎがスムーズにいかず、、。ツアーの始まりは、こんな具合いに想像外の試練の連続でしたから、無事ツアーを終えられたことが、まだ夢のようです。

メンバーは宿舎に集合し、まずはお互いの集結心を育むところから共同生活、リハーサルが始まり、協力し合う仲になっていきます。ベッドから離れられない患者さん、施設の中で罪の意識と世の中を憎む葛藤の狭間で再出発にチャレンジしている未成年者、将来の希望を胸に羽ばたこうとしている子どもたち。。。ツアー中、私達が音楽を届ける人達も、彼らを取り巻く状況も毎日違います。演奏者、聞き手、どちら側にも音楽による反応はさまざまです。予想できない状況の中で音楽が私達全員にパワーを与え続け、励まし、慰めてくれた二週間でした。

施設、学校、病院など条件に見合った感染予防対策といえども、国、施設、個人、でも差があるものです。私たちはどんな対策にも完璧と言うものはない、と細心の注意を払って一つ一つの訪問先を回りました。一箇所ずつの演奏会の形や聴く人たちの集まり方、病室訪問などの段取り、にはある程度慣れていましたが、この対策ばかりは想像外でした。加えて、パンデミックで制限されていた会話や、機械を通じてのコミュニケーションが多かったことを想い、今回のツアーでは参加されるすべての人、子どもたちが生の音に触れる機会を持てるように心掛けました。一度に集まる人数を最小限にして回数を増やし、自ら音楽の力に気づく経験に出会うためにも、コンサートを何回にも分けて行ったり、また人々の行き来を減らすため、ICEPのメンバーが各フロア、各病棟、各教室を訪問しました。大勢の人が集 まって聴くコンサートとは一味違って、アットホームで演奏者との距離感が狭まった感じでした。新鮮な発見もあり、パンデミックが去っても応用できるアイデアも大収穫でしたし、音楽をシェアする土台作りも将来の活動の原動力に繋がった貴重な経験をさせていただきました。Midori5 Cimg6636

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