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2007年11月

2007年11月27日 (火)

邦楽レクチャー・コンサート&マスタークラス(雅楽プログラム)

2007年11月26日(月)・27日(火) 訪問
香川大学教育学部附属高松小学校

秋晴れの日の夕方、高松駅近くのホテルから、歩いて香川大学教育学部附属高松小学校へ向かいました。学校は香川県庁のすぐ横、ビルの立ち並ぶ街の中心部にあります。
<マスタークラス>

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子どもたちの下校した後の体育館で、マスタークラスが始まりました。
集まってくださったのは、市内の音楽の先生方が15名ほど。私たちの演奏やビデオを交えての説明を短く聞いていただいた後、まずはひととおり3つの楽器を手にとって、音が出るかな?と試してみた後は、3グループに分かれて「越殿楽」を習っていただきます。
唱歌を歌って、指使いを覚えて、音を出す。限られた時間でいったいどこまで伝えられるかしら、と心配するのですが、さすが勘のよい音楽の先生方。私の指を見ながらどんどん吹けるようになっていきます。間違えても楽しそうに吹いてくださるのがいいですね。篳篥は越殿楽2行目まで吹けて大拍手!です。
舞楽も「陵王」冒頭部分を一緒に舞ってみました。実際に体を動かしてみると楽しいですよね。

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<レクチャーコンサート>

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うっすらと雲の広がる天気。雨が少ない高松市にしては珍しいんだそうです。 小学4~6年の350人近くが扇形に座る体育館へ「太食調調子」を吹きつつ入っていきます。 興味津々でこちらを見つめる沢山の目に、しゃきっとする心持です。 今日は楽器体験をする子どもたちを予め決めていただいて、前へ出てきてもらいました。
篳篥は最初はなかなか音がでません。「あまり口をギュッと締めないで」「もう少し奥深くくわえこんでみて」「短くていいから勢いよく息を入れてみてごらん」といろんな吹き方で試してみます。私だけ出ない!と諦めかけてる子が、何かの拍子に音を出せるようになると、本当に嬉しそう。慣れてくると太くて良い音になっていきます。 「口がビリビリする!」感覚は吹いてみないとわからないですね。

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最後の質問で、「何に気をつけて吹いていますか?」と問われました。 力まないで吹くこと、アンサンブルでみんなの音をよく聴いて合わすこと、演奏の直前に食べ過ぎないこと、などの答えがでましたが、どのように演奏すべきか自らを反省させられる質問でした。
コンサートのあとは、おいしい讃岐うどんをいただいて大満足の旅となりました。

中村仁美 (篳篥)

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2007年11月15日 (木)

邦楽レクチャー・コンサート&マスタークラス(箏曲プログラム)

2007年11月14日(水)・15日(木)訪問
青森県立青森若葉養護学校

<マスタークラス>

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暖房でほんのり暖かいアリーナに入ると、そこにはもう立奏台に乗った26面の箏がずらりと並び、学校の箏担当の先生方が既に調弦をしていらっしゃるではありませんか!

体が弱い子どもたちが学ぶ青森若葉養護学校では7年前から授業や時間外の活動でお箏に取り組んでおり、並んでいた楽器のほぼすべてが学校のもの。そしてこの日、参加してくださった26人の先生のうち、青森市内の養護・盲学校の先生4人を除けば、若葉養護学校の先生方が勢ぞろいしてくださり、学校を挙げてレクチャーコンサートを楽しみにしていてくださいました。基本的に生徒の数が少ないので、合奏のときには先生方が二箏を担当されるなど、箏を弾いた経験のある先生が多いという「特殊事情」もある今回のレクチャー。どうなることかと見ていたら……。

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沢井一恵先生の「六段の調べ」に深く耳を傾け、アンサンブルも交えた「焔」の後には「私も(スティックで弦を)たたいてみたい!」と好奇心全開の先生が複数登場。
そんな勢いに乗るように、実際に弾いていただく時間になると、初めて箏に触れる先生も少なくなかったにもかかわらず進み方が早いこと、早いこと。

親指、あるいは3の指で1本ずつ弦を上降、下降する基本的なパターンも、一恵先生は「もう少し速く」とどんどんテンポを上げ、「えーっ?」と驚きながらも遅れないよう必死に弾く先生方。かと思えば、音をぴたりと止め、「今弾いた音はどこに広がっていますか」と一恵先生が静かに問いかけると、音の粒の居場所を探してアリーナの天井や隅を見上げる先生方。その後の練習では、テンポが上がっても、26人の音はあまりズレなくなりました。

「音を聴くこと」に意識を向けることで、一気に耳を開かせる「一恵先生マジック」 に包まれ、あっという間に1時間半のレクチャーは終了。参加した先生方は、弾くことと聴くことの楽しさを存分に味わっていただけたようで、私たちもとても気持ちの いい楽しい時間を過ごさせていただきました。

<レクチャーコンサート>
外気温が15度もあった前日から一転、この日は冷たい雨交じりの風が吹き、上着の襟を立てなければ歩けないような寒さに。こんな天気は、体が弱い若葉養護学校の生徒たちにとって「なかなか学校に行けない日」となることが多いので、「さて、何人がアリーナに集まってくれるかなぁ」とちょっぴり心配な気持ちで学校に向かいました。
ところが!レクチャーコンサートが始まる時間が近づくと、子どもたちの足音が次々聞こえ、アリーナからは早くも箏の音が……。覗いてみると、小学部から高等部までのほぼ全員にあたる20人もの生徒たちが、箏の前にきちんと座っているではありませんか!なんて嬉しい誤算!!
沢井一恵先生はじめ、アンサンブルのメンバーが生徒たちの前に走り出て、さあ、レクチャーコンサートの始まりです。「鳥のように」の群奏、一恵先生の「六段の調べ」を、小さな子どもたちも身じろぎせず聞き入っていました。十七弦を含む6人で演奏した「焔」の激しさには、目を見張っているようでした。
ここで、いつもとは違うプログラムの登場です。月に数回、箏の授業を行い、これまでに沢井忠夫先生の曲を数曲弾いてきた若葉らしく、「花筏」を生徒と先生方が披露してくれたのです。ほんの2、3回しか練習の時間が取れなかったとのことですが、どうしてどうして。1箏と2箏がきちんとかみあい、綺麗に弾けていました。そこで私たちアンサンブルも加えてもらい、30人ほどの大合奏がアリーナに響きました。忠夫先生の曲を一緒に合奏できて、とっても嬉しかった。
最後は「かえるの唄」の体験演奏。日ごろ、箏の授業に出ることができず、初めて箏の前に座った生徒さんもいました。でも、一恵先生が「とにかくちょっとでもいいから触ってみましょう!」と明るく声を掛け、アンサンブルメンバーと一緒に有無を言わさず調弦を「かえる調子(?)」に直し、「触れば音が出るよ!」とけしかける。誘われるように次々渦巻く「かえるの唄」……。
この日も“一恵先生マジック”のおかげで全員が弾いてくれて、私たちも大感激!
最後には、初めてお爪をはめた校長先生と教頭先生を交えての大合奏が実現し、弾き終わったみんなの顔は笑顔、笑顔、笑顔……。「弾けば楽しくなるかえるの唄」の底力を見た思いでした。

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楽しい時間は瞬く間に過ぎました。代表の生徒さんがメモを見ずに、1曲1曲の感想を自分の言葉で伝えてくれたことに感激。小学部の男の子が小さな体いっぱいで「きょうは、ことをひいてくれてありがとう」という言葉と一緒に、一恵先生の感謝の花束を差し出してくれて、これまた大感激。さらに、花束を受け取ろうとしゃがんだ一恵先生のほっぺに、「チュー」のプレゼントまで! なかなか終わらない熱烈な「チュー」に、アリーナ中が沸きました。
「こんな感激、感動があるから、音楽はやめられないのよ」そんな一恵先生の言葉がとっても身に染みた2日間でした。
準備に時間を掛けてくださった若葉養護学校の先生方、本当に本当にありがとうございました。どうか、若葉養護学校にいつまでも箏の音が響きますように……。

小畑智恵(さわい箏アンサンブル)

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2007年11月13日 (火)

邦楽レクチャー・コンサート&マスタークラス(雅楽プログラム)

2007年11月12日(月)・13日(火)訪問
雲南市立温泉小学校

出雲空港から車で50分、色づく山々にかこまれる雲南市立温泉小学校に行きました。
さっそく校長先生に案内され、授業風景を見せていただきました。全校生徒が23人という温泉小学校は、2学年ずつ3教室にわかれて勉強していました。
先生方の愛情を一杯注がれた子供たちは、とても元気な様子です。
また、地元に伝わる県の無形文化財にも指定されている「槻之屋神楽」(つきのやかぐら)をビデオで見せていただきました。子供さんたちも指導を受け、子供神楽をやっているとのこと、雅楽にも興味を持って聞いてくれるのでは・・・?とコンサートが楽しみになりました。

<マスタークラス>
小雨の降る初冬の体育館は少し肌寒かったのですが、集まってくださった先生方はとても熱心に参加してくださいました。楽器体験では思ったより難しいそれぞれの楽器に苦労されたようですが、特に篳篥の上達は目覚しいものがありました。また「陵王」の舞を体験していただきました。短い時間ながら、さまになっており、すばらしい成果の上がったマスタークラスでした。

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<レクチャーコンサート>
翌日は窓から差し込む日の光がとても暖かな日となりました。さあ、いよいよレクチャーコンサートです。演奏をしながら体育館に入っていくと、どの子も目を輝かせてこちらを見ています。

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演奏や話をとても熱心に聴いてくれるので、思わず話にも力が入りました。
楽器体験では、まず3人の生徒さんに笙を吹いてもらい、その後みんなで篳篥や龍笛も体験しました。どの子もとても楽しそう。子供さんどうしが楽器の持ち方などを教えあっている様子は、日頃からの賜物。見ている我々も心温まる光景でした。
みんな質問や感想も積極的に発言し参加している姿から、このコンサートへの関心の深さが伝わってきました。
山間にある少人数の学校でも、先生方の熱意や地域の皆さんの協力で、こんなにすばらしい教育ができるんだと実感した訪問となりました。子供たちからたくさんの元気をもらって帰りました。

八木千暁 (龍笛)

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2007年11月 9日 (金)

邦楽レクチャー・コンサート&マスタークラス(雅楽プログラム)

2007年11月6日(火)・9日(金)訪問
東京都立白鷺養護学校

毎年、秋になり、木々の葉が美しい色に変わる頃に、邦楽レクチャーコンサートが始まります。いつも、新たな活動へと躍進してゆかれるみどりさんを拝見していると、私も勇気づけられます。雅楽というとすぐ「伝統」「歴史」というむずかしそうな印象になりますが、そうした印象をとりのけて、この雅楽の内にも尽きることのない音楽のよろこびがあることを伝えたいと思います。

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<マスタークラス>
今年の最初は、先生方のためのマスタークラスです。夕方の体育館に、仕事を終えたばかりの先生方が集まってくださいました。雅楽の形式や楽器説明のあと、実際に楽器を手にしていただきます。笙、篳篥、龍笛にわかれて練習をしました。私が担当する笙は、最初に15分ほど電熱器で暖めなければなりません。他の楽器の人たちがもう音を出し始めているのを聴くと、ちょっと遅れをとったようで焦ります。そのうえ指使いも結構複雑で、次第に頭が飽和状態に近づきます。それでも、皆さんとても粘り強く練習を続けてくださり、最後には越殿楽の合奏が、(かなり)立派にできました!次の舞楽の実習では、「陵王(りょうおう)」を舞いました。大きくゆったりとした動きには、仕事のあとのストレッチ効果もあったかもしれません。楽しんでくださり、私たちも充実した一日を終えることができました。

<レクチャー・コンサート>

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2日おいて、レクチャーコンサートをむかえました。200人近い生徒さんが、この間の体育館に集まっています。演奏しながら会場に入ってゆくと、とても生き生きとした雰囲気に驚きました。たくさんの笑顔と、楽しそうなジェスチャーと声に、力をいただきながら進めることができました。「合歓塩(がっかえん)」の演奏をしていると、皆さんの真剣に集中しているまなざしが感じられて、おおきな心の力で支えられているような気持になりました。楽器体験では、どんどん積極的に楽器のところに集まってきて、次々と音を響かせていました。マスタークラスで楽器を習得なさった先生方が、指導を手伝ってくださり、たくさんの歓声と楽器の音で会場が満たされました。
舞楽もみなで一生懸命に身体を動かし、あっという間にレクチャーコンサートは終了です。控え室へもどって装束から着替え、さて楽器を片付けに体育館へ行くと.....まだ皆さんが楽器の前に、「もうすこしやってみたい」という様子で集まっているではありませんか。どうぞ、どうぞ、満足するまで音を出してみてください。

石川高 (笙)

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