学校訪問コンサート2009-2010 第2回コンサート 雅楽
2009年12月7日(月) 大阪府大阪市立木川南小学校
新大阪駅からタクシーで木川南小学校へ向かいました。車を降りると、目の前に高く土手が続いています。・・・もしや?そう、ここは大阪淀川区。これは淀川に違いありません。
淀川といえば私たち篳篥吹きにとってとっても大事な舌(リード)の材料となる葦のとれるところです。木川南小は、この淀川沿いにあったんですね。なんだか篳篥の故郷に帰ったような気持がして私はとても嬉しくなってしまいました。
さて、今回は私たちにとって初めての試みがあります。演奏会を聴く4〜6年生とは別に、1〜3年生のクラスも訪問することになったのです。やっぱり装束を着けたほうがみんな喜ぶよね、などと言いながら準備して、3人が3クラスに分かれて順番に一人ずつ廻りました。ほんの短い限られた時間でしたが、楽器の音を聞いてもらい少しお話しするだけで、子どもたちの元気なきらきらした目が輝きます。「この楽器知ってる?」と聞くと「ひちりき!映画の『ゲゲゲの幾多郎』で見た」とすぐ答えが返ってきてびっくりです。私たちもお手伝いしてできた映画なのでちょっと嬉しかった。
そして、いよいよレクチャー・コンサート。子どもたちが楽屋にお迎えに来てくれました。笙が歩きながら吹き始め、途中から篳篥が加わると、何人かはビクっと動き、こちらを振り向いて「なんじゃこの強烈な音は!」という顔をしています。子どもたちは正直に反応が出ますね。清少納言が、髪の毛が逆立つ音、と言ったのを思い出します。でも慣れるといい音だなあと思ってもらえるといいのですが。
楽器説明の時に、楽器の素材を聞いてみました。本体は竹。では上についている舌(リード)は?子どもからはなかなか正解がでない問いなので、そろそろ答えを言おうかな、と思っていたら「葦(あし)」と男の子が答えてくれました。正解です!
この葦の善し悪しが、篳篥の音色を決めているのです。思わず皆に、「淀川の環境を守ってね。」とお願いしてしまいました。
木川南小はことし創立50周年。記念式典で演奏されたという曲を子どもたちが演奏してくれました。長い曲なのに一人一人しっかり演奏していて、本当に立派でした。最後の質問コーナーも、司会進行など子供たちが役割分担を決めてしっかり行ってくれたのが印象的でした。皆さん、どうもありがとうございました。
マスタークラスでは、木川南小の沢山の先生方に、明日の塚本小学校、三津屋小学校の先生も加わって「越殿楽」を吹いたり舞を舞ったり、雅楽を楽しく体験してくださいました。お疲れさまでした!
中村仁美(篳篥)
<低学年クラス訪問>
篳篥のリードは淀川の葦を使っています
不思議な音色の楽器は何だろうと、みんな興味津々
<レクチャー・コンサート>
龍笛や篳篥の良いものは、煙で燻された竹から作られます
Q&Aのコーナー:司会は子どもたちです
演奏家をしいていて一番良かったことは何ですか。
みんなと仲良くできるのが嬉しいです。(中村さん)
<マスタークラス>
篳篥はすぐに音が出ますよ
指差し確認ではなく、舞楽の体験をしています
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