「まだ会えていない人々への想い・・・心のつながりを求めて」
近ごろ特に涙もろくなっている自分に気付かされることが多くなりました。
ごく真面目に生きているのに思いどおりにならない、と歯を食いしばっている人たちの口惜しさに気付いたときに、ついこみあげてくることが多いようです。
私は「ミュージック・シェアリング」の理事に名を連ねるようになっていつしか10年近く経ってしまいました。長い間、子どもの本、大人向けの本、百科事典やさまざまな辞典類、美術や歴史の本さらには週刊誌やマンガ雑誌までも出す出版社で仕事をしてきました。
活字を使って日本中の人びとに感動を伝え、知的生産に役立つように、そして<面白くてためになることを>たくさん味わってもらう出版という仕事であったことは、自分自身の生き方にとてもいい時間であったと今さらながら感謝しています。
五嶋みどりさんがバイオリンという楽器で人びとに喜び、感動、勇気ときには哀しみを伝え、心の豊かさを分かち合いたいという「ミュージック・シェアリング」の理念を述べられたときに、私も心から共感できる気持ちになったことを思い出しています。活字だけでは伝えきれないもの、日本語では伝えきれない国々の人たちへのメッセージ。それが音楽という手段で語られていきます。ほんものの、質の高い音楽を身近に体感できる機会は、まだまだ全ての人びとに与えられてはいないようです。私たちの想いはみどりさんの活動によって果たされていく。そして多くの方がたの協賛によって支えられていく。
「ミュージック・シェアリング」はそういうことを目指して小さな努力ですが続けていきます。
株式会社ネットアドバンス 副社長(元小学館)
特定非営利活動法人ミュージック・シェアリング理事
黒木重昭
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