琴線に触れた出来事
2010年10月28日(木)鹿児島県立鹿児島養護学校
<箏曲プログラム>
沢井一恵(箏)、さわい箏アンサンブル
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28日(木)ミュージック・シェアリングの活動に参加しました。
この日の為に、ひとつの曲を丁寧につくっていく友子先生(アンサンブルの中心メンバー)のもと、全員での合同練習を何度もしてきました。私もこの数カ月、必死にレッスンに向かう日々でした。
合奏は、呼吸を合わせなければならない緊張感を持ちつつも何とも言えない心地良さもあります。今回の訪問コンサートのおかげで合奏する機会を持て、楽しかったです。
いよいよ当日!
初めて養護学校へ行きました。上手く弾けるかなという不安はもちろんのこと、私には、もうひとつの不安がありました。それは、私はお年寄りの介護の仕事をしておりながら、体の不自由な子どもたちを受け止めることができるだろうか、どう関わればいいのだろうかという不安でした。
事前の調律も念入りに行います。
リハーサル、準備、としていると子どもたちが一人、二人とやってきました。緊張していた私も次第に子どもたちの興味津々な様子に心ほぐされていました。私が受け止めるのではなく、受け入れてもらうことから始まることにも気付かされました。一から弾いていくと…“かえるの歌”になり喜ぶ子どもや、少し照れくさそうにする子ども。とにかく弦に触れ音を出す子ども。いろんな不自由を抱えた子どもたちと、それぞれの方法で音を出しました。まさに音を楽しむひと時でした。
箏に興味津々、思い思いに音を奏でます。
午後は、コンサートでした。
司会の挨拶も終わり、コンサートは始まりました!
頭でリズムをとる子どもや、手拍子をしている子供、じっと見つめている子ども。真剣に聞いてくれている子供たちのパワーとアンサンブルのパワーがひとつの渦となって体育館にやわらかくも強い何かを響かせているような気がしました。その証でしょう、私の頬につたう涙…。まわりの先生たちも目を赤くしています。言葉にはできない“琴線”に触れた出来事でした。
アンサンブルのメンバーの演奏も力が入ります。
いつも元気な沢井先生
きっと、同じ訪問でも、ただ演奏して聞かせるだけではこの感情は抱かなかったかもしれません。このようなプログラムを実施し活動しているミュージック・シェアリングに敬服と感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
いい音が出て、みなで大喜び!
そして、この活動に参加されている沢井一恵先生の姿に、今までにない印象を受けることができました。 これからも細く長くとも…箏を続けていきたいと思いました。
さわい箏アンサンブル、中迎聡子(10月28日記)
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