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2011年7月 4日 (月)

弾いて、たたいて、箏を楽しむ

2011年6月30日(木)訪問 山形県立鶴岡養護学校

<箏曲プログラム>
沢井一恵(箏)、さわい箏アンサンブル

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沢井一恵先生と、アンサンブルの私達5人が鶴岡養護学校を訪れたのは、梅雨の晴れ間の強い日差しが降り注ぎ、青空には真っ白な夏雲がぽっかりと浮かぶ気持ちのいい日でした。

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空の青さが印象的

小学部から高等部まで大勢の生徒さんが通う学校。会場として貸していただいた体育館の壁にはアントニオ猪木の顔と「闘魂」の文字が描かれた大きな絵が掲げられ(運動会で使ったのでしょうか?)、その下を通り過ぎる生徒さんが「こんにちは」と元気に挨拶をしてくれます。

ステージには大きなトランポリンがあり、何人かの生徒さんが楽器の準備をする私達を気にしながら、ポンポン飛び跳ねていました。そんな様子を見ていると「元気な子が多いのかな?」とワクワクして、本番が待ち遠しいこと。

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昨年建て替えられたばかりの体育館

午後1時半。並んだお箏をぐるりと囲むようにして座った中学部の30人ほどの生徒さんが、大きな拍手で私達を迎えてくれました。沢井先生は「皆さん、こんにちは~」と大きな声で呼びかけながらしゃがみ込み、一人ひとりの目を見ながらお箏について少し説明をしました。

「ではこれから、『六段』という曲を弾きます。眠くなったら寝てもいいですからね」。軽くざわついていた皆さんも、最初の一音が「ぽーん」と響いた途端に目も耳も先生の指先に集中し、静けさが訪れました。

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静かな体育館の中で響く沢井先生の箏の音色

目を大きく開け、満面の笑みをたたえながら身を乗り出して聴き入ったり、時折、小さく体を揺すっている生徒さんもいます。素直で、まっすぐな反応から、音が確実に届いていることを感じます。

アンサンブル5人の「鳥のように」の群奏では、特に後半のテンポアップした部分で、気持ちが盛り上がったのか楽しそうな声が聞こえてきました。そして沢井先生が十七絃ソロで加わった「焔(ほむら)」では、ノリのいいリズム、スティックで弦をたたく激しい奏法などが珍しく、面白かったのか、これまた声が聞こえたり、ざわめいたり。“客席”が盛り上がっている様子を感じ、演奏するこちらまで熱くなります。

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「焔」の演奏

そしていよいよ箏体験コーナーです。目標は「全員に楽器に触れてもらうこと」。一人ひとりに爪を合わせ、「かえるのうた」に調弦した楽器を、自由に弾いてもらいます。速く弾いたり、指で弦をはじいたり、箏の胴を手で叩いたり。大きな音を出して見せると、負けずに大きないい音を出す生徒さんもいます。

自分で弾けない生徒さんには、私達が弾いている弦に触れてもらい、弦が揺れていることを感じてもらいます。こんな時、箏は五感と全身で音を感じてもらえる楽器なのだということを実感します。何度も何度も弾き続ける生徒さんが多く、下校バスの時間に食い込むくらい、盛り上がってしまいました。

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質問に答えるメンバー。笑顔が絶えません

最後の質問&感想コーナーでは次々に手が挙がり、そのほとんどが「楽しかったです!」という嬉しい一言。「名前を教えて下さい」と、アンサンブルメンバーに声を掛けてくださったこともありがたかったです。


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プレゼントを頂きました!

「あんなに生徒たちが喜ぶなんて」「私達も楽しかったです」という言葉を先生方からいただきましたが、私達こそ存分に楽しませていただきました。だって、箏がこんなにも生徒さんたちの気持ちに寄り添える楽器だということを、また思い出させていただいたのですから。

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先生方の心のこもったお見送り。お世話になりました

何度か、この訪問コンサートに参加させていただいていますが、伺う度に印象深く、記憶に残る時間をいただきます。今回もそうです。初めて「箏」に触れて、嬉しそうで楽しそうだった生徒さんのたくさんの笑顔が忘れられません。そして、これからも多くの子供たちに、素敵な音楽を届けて行きたいと思います。 

さわい箏アンサンブル
小畑 智恵(おばた ともえ)

--------------------------------- 鶴岡養護学校ウェブサイト

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