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2014年10月17日 (金)

秋の訪問コンサート♪東大寺福祉療育病院

10月17日(金)

東大寺福祉療育病院(奈良) 訪問コンサート
 

<訪問した演奏家>
~雅楽~
石川高(笙)
中村仁美(篳篥)
八木千暁(龍笛)

来週から始まる「正倉院展」のポスターを横目で見ながら、奈良駅からタクシーで「東大寺福祉療育病院」にやってきました。

中庭からはすぐそこに東大寺の建物や若草山が見える場所。聖武天皇や光明皇后が悲田院や施薬院を建立された故事に則って設立されたという整肢院で、今日は演奏させていただきます。大仏様が出来た時にも雅楽が鳴り響いていたこの地で、演奏させていただけるのはとても嬉しいことです。
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 今日、集まってくれたのはほとんどが車いすの子どもたちです。
 「楽器を触ってみる?」
いくつかの曲を聴いていただいた後の楽器体験の時間には、いつも体験用の楽器に息を入れて音を出してみてもらっています。今日も音を出せた子が何人もいましたが、口にくわえることが難しい子どもたちには、楽器を触ってもらったり、近くで「こんなふうに吹くんだよ」と見せてあげたりします。
「そのまま吹いてもらっていいですか?」と、付添の先生に言われて、お子さんが握りしめた楽器に息を吹き込んで鳴らしてみました。そう、音が鳴ると楽器が震えるんです。唇が震える感覚は味わえなくても、震える管を握ることで、自分の体で音が捉えられるんだなあ、と発見しました。
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 私たちが前で演奏していると、前の席の子は目を合わせて訊いてくれたりもしますが、車いすで寝ている姿勢の子には良く見えないでしょうし、視線が合わない子どもさんたちもいます。何より音を近くで聴いてもらいたいので、最後に「陪臚」を演奏した時には、3人の奏者が各々子どもたちの席の中に入って吹いてみました。
 近くで吹くとびっくりしてうるさく感じたりしないかしら?とちょっと心配でしたが、コンサートの間にだんだん音に慣れてきたのでしょうか、大丈夫みたいです。「ほらほら来たよ」と声掛けされて、振り向いた子の満面の笑顔。手と上半身を一杯動かして嬉しさを表してくれて、私も本当に嬉しかったです。
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 静かにじーっと聴いてくれている子。最初は耳に手を当てて「うるさーい!」という顔だったけれど、体験の時には思いっきり息を入れて上手に音を出して、そのままずーっと吹いてくれた子。声や手を振り動かして何かを表現していてくれる子。一緒に時間を過ごすことが出来て幸せでした。

 「音を聞くことで、子どもたちがいつもとは違う表情を見せてくれました」と、終わってから先生が声を掛けてくださいました。
雅楽の響きは、みんなの体の深い所に共鳴してくれたことと思います。

中村仁美
(雅楽:篳篥)

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