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2015年11月 9日 (月)

「好き」という気持ちから繋がる未来~バンドネオン・三浦一馬さんより~

10月16日に大阪市立梅南津守小学校を訪問した協力アーティストの三浦一馬さんより、文章を寄せていただきました。

訪問プログラムの様子はこちらでも紹介しています。

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今回、僕が伺ったのは、大阪市立梅南津守小学校。学校に到着したのが、ちょうど給食にかかる時間帯で、どこからともなく美味しそうな匂いが漂ってくる。うーん、こっちまでお腹がすいてくるなぁ…。

まずは、会場となる音楽室を見せて頂くことに。どこの学校でも大体そうだけれど、音楽室の壁って、名だたる音楽家たちの肖像画が貼ってありますよね。昼間だからいいようなものの、夜中に見て目が合っちゃったりなんかしたら怖いだろうな…。そんなことを考えつつ、あちこち見回していると、部屋の後ろの方にアコーディオンが置いてあるのを発見。これは使える!と思い、こっそり1台お借りして、セットの裏にスタンバイ。

この日の”お客様”は、小学6年生の子供達。きっと、バンドネオンを見るのは初めてかな?では、まずはこの楽器の演奏からスタートしましょう。オープニングには、A.ピアソラ作曲「来たるべきもの」をセレクト。


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ミュージック・シェアリングのコンサートでは、毎回スクリーンを用意して頂き、スライドでの解説を挟みながら演奏を進めます。もちろん、演奏だけのコンサートでも良いのだけれど、写真や映像を使って話をした方が、ずっと身近なものとして感じられることもありますからね。そして、それは僕が子供の頃、同じような学校コンサートを聴く中で抱いていたことでもあります。

「バンドネオンって、どんな楽器?」というところから話を初めて(もちろん、先ほど拝借したアコーディオンも使いながら)楽器の特徴を見てもらいます。…と、ここからが凄かった!よく、キーワードとなる言葉をクイズにして出題するのですが、みんな、本当によく色々なことを知っている!2つの楽器の違いを当てるなんてことは楽々とクリアし、地図・国旗を見て国名を当てる問題でも、すぐに答えが返ってくる。こんなに正解率が高いと、今度から問題を出す方も大変になってくるなぁ…。

”アルゼンチン”というキーワードから、話題は「タンゴ」へ。もちろん、演奏を欠かす訳にはいきませんね。ここでは、その代表的な作品である「ラ・クンパルシータ(G.M.ロドリゲス)」と「7月9日(J.L.パドゥラ)」の2曲を披露。

最後のブロックは、小っ恥ずかしながら、僕の音楽家としての半生を当時の写真と共に。「半生」なんて言葉を使うには早すぎるけれど、それでも、みんなより少しだけ長く生きている先輩として、やはり伝えたいことはあります。

僕がバンドネオンと出逢ったのは、小学4年生、10歳のとき。偶然見ていたテレビ番組で楽器の存在を知り、そこから、バンドネオンの世界にのめり込んで行くことになったのです。初めて人前で演奏した野外ライヴ、アルゼンチンへの留学、イタリアでのコンクール…。

思い返せば色々なことがあり、時には「バンドネオンなんかやめてやる!」と思ったこともあるけれど、結局は「この楽器が好き」という気持ちが僅かでも上回っていたから、今日まで続けてくる事が出来たんですよね。そして不思議なことに、10歳の少年が今日に至るまでの出来事は、その全てが面白いように繋がっているのです。

そんなことを話しているうちに、残り時間もあと僅かに。最後に、G.ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」を演奏し、この日のコンサートは幕を下ろしました。


必ず誰もが1つは抱くであろう「夢」というもの。僕の場合、それがバンドネオン奏者になることだった訳で、その気持ちを持ち続けた結果、いま僕は、曲がりなりにもプロのバンドネオン奏者として生きることが出来ています。この日、僕は子供たちに話をしながら、同時に、僕自身の新しい夢についても思いを巡らせ、音楽家としての将来を見つめていました。来年はデビュー10周年という節目。さて、どんな未来を創ろうか。


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(バンドネオン 三浦一馬)

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