横浜市立盲特別支援学校 / 雅楽訪問コンサート
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2016年11月17日 訪問コンサート
横浜県立盲特別支援学校
<訪問した演奏家>
石川 高(笙)
中村 仁美(篳篥)
八木 千暁(龍笛)
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*雅楽奏者(笙) 石川 高さんより
文章を寄せていただきました。
晴れた秋の日、美しく紅葉している木々に囲まれて、
小高い丘の上の校舎が見えてきました。
学校に到着すると、びっくりするほど大きなストーブで、
会場は暖かくなっていました。
控室から、お迎えの子供達について入場すると、
70人の皆さんが、私達を明るく迎えてくださいます。
越殿楽の唱歌を、あっという間に
しっかり歌えるようになったのには、
本当に驚きました。
中村さんが篳篥で「もみじ」の旋律を吹き始めると、
「あきのゆうひに、てるやまもみじ.....」と、
皆さんの歌声が優しく広がってゆきます。
楽器体験では、皆それぞれに頑張りました。
フルートを演奏している人は、
龍笛でもすぐに音が出ましたね。
笙や篳篥でも、皆さんの生き生きとした面白い音が
会場に響きました。
越殿楽を演奏しながら、皆さんのそばにゆくと、
たくさんの手が、装束や楽器に触れてきます。
私の笙の竹に手を伸ばし、
そっと触れて振動を確かめる、
その優しい気づかいのある手の感触が、
とても心に染みました。
「笙はどうして暖めるのですか」、
「篳篥をお茶に入れるのは何故ですか」、
「それぞれの楽器はどのくらいの重さですか」と、
探求心あふれる質問をたくさんいただきました。
皆さんの繊細な耳には、
最初は大きすぎる音だったかもしれません。
私達も、演奏するうちに、
ちょうどよい音の強さがわかってきて、
最後には、落着いて聴いている皆さんと
ひとつになるのを感じることができました。
感動的な体験でした。
(石川高)
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