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2017年11月15日 (水)

国立病院機構 福島病院/訪問コンサート

こんにちは!
11月に入り、いよいよ寒くなってきましたね。
冬の足音が聞こえてくるようです。
さて、10月に訪問した福島病院でのコンサートのご紹介です。

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2017年10月18日 訪問コンサート

国立病院機構 福島病院

<訪問した演奏家>
沢井一恵(筝)
さわい筝アンサンブル
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*さわい筝アンサンブルのメンバーより、文章を寄せていただきました。

音楽の力。今回のmusic sharingではその強さを思い知った。
事前の連絡で、今回の訪問先の方々はかなり重度の
障害をもっていると聞いていたし、心づもりも
できていたはずだった。しかし、参加してくださる
患者の方々が揃った会場に入っていったとき、私が
受けたショックは決して小さいものではなかった。
何しろ部屋にいる50人位皆が重い症状を抱えているのだ。
頭では理解していたつもりでも、実際に目の当たりにすると、
いつも私が過ごしている世界とは違いすぎる空間に衝撃を受けた。

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一恵先生が少し挨拶をした後、早速六段の演奏を始めた。
最初は、声を出している人もいたりして部屋の雰囲気も
なんとなくざわついていた。
この先どうなるのだろうかと思ったのを覚えている。

しかし、演奏が終わった頃には気づいたら雰囲気は
落ち着いていて、というより、むしろ緊張感すらも
伝わってきて、聞いている人たちの耳を澄まして
いるような集中力のようなものが伝わってきた。

その後2曲演奏したが、もう会場がざわついて
演奏に集中できないということは全くなく、
フォーマルな演奏会並に集中することができた。

演奏前には「大丈夫大丈夫」と患者さんから励まして
くれたりして、とても心地よく演奏することができた。


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演奏が全て終わった後、実際に箏に触れる体験の時間では、
楽器を持っていくと皆興味深げに触ったり弾いてくれたりして、
予想以上の反応に驚いた。反応すらしてくれないかも
しれないという不安も少しあったからだ。


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途中「さくらさくら」を弾いてほしいという要望も出て、
アドリブで合奏し、皆で歌ってもらうなんてこともあった。
看護の方々も普段患者の人たちが見せない表情や動きだ、と
とても喜んでくれた。


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無事全て終わり、帰途についた私はふと考えた。
何が今回の患者の方々をあんなに生き生きとさせたのだろうか。
まだはっきりとはわからないが、それこそが音楽の力だと思う。
ここで言っている音楽とは本物の音楽、つまり楽譜通りの
音を出しているだけで終わりの表面的なものではなく、
自身の中で深く吟味し選び抜かれた、洗練された曲想を、
芯のある豊かな音で奏でたもののことだと、
18歳の現在では思っている。

楽譜通りに手が回りダイナミクスを調整したとしても
心を動かす何かを伝えるのは難しいだろう。
つまり理性ではなく感性に訴えないといけないということだ。
もっと根本的な音楽の力が今回の患者の方々の心の芯に
届いたのだと思う。

今回のことはとてもいい経験になった。
関わらせていただけたことに感謝したい。

(小林 甲矢人)

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