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2017年12月

2017年12月27日 (水)

青森県立八戸第一養護学校/訪問コンサート


こんにちは。
2017年もあとわずかですね。

遅くなりましたが、
晩秋の青森県八戸にお邪魔しました。

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2017年11月27日
訪問コンサート

青森県立八戸第一養護学校

<訪問した演奏家>
石川 髙(笙)
中村 仁美(篳篥)
八木 千暁(龍笛)
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↓雅楽奏者(笙)石川 髙さんより
文章を寄せていただきました↓

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朝早くに東京を出発した新幹線の窓から、
雄大な雪山が見えてきました。
いよいよ東北地方です。

八戸の駅に降りると、
冷たくすがすがしい空気に包まれました。
山の彼方をゆっくりと動いてゆく大きな雲に、
雪の予感がありました。

学校に到着すると、
校長先生、教頭先生、皆様が
お迎えくださいました。
開放的で愛情に満ちた学校の雰囲気に、
とてもうれしくなりました。

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訪問コンサートの始まりです。
演奏しながら、たくさんの笑顔、
真剣な面持ちの子ども達の間に
入ってゆきました。

越殿楽の唱歌(しょうが)も、
皆で元気に歌うことができました。

楽器紹介では、中村仁美さんが
篳篥で「もみじ」を吹きはじめると、
次第に皆さんの歌声が広がってゆきます。
感動的でした。

楽器体験もとても楽しかったです。
明るく輝く笑顔を目の前にしながら
演奏していると、幸せを感じます。

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身体いっぱいに喜びを表現する子、
そっと楽器に触れてみる子、
ちょっと恥ずかしくてうつむく子もいました。
耳を塞いでしまう人もいましたね。
大きな音で驚かせてしまってごめんなさい。
個性的な、様々な感受性が、
皆さんの心の中で生き生きと
反応しているのがわかりました。


「蘭陵王」のコーナーでは、
両手を大きく広げて、
おおらかな舞楽の動きを体験しました。

最後に感想と質問をいただきました。
「じょうずでした。」「素晴しかったです。」
こちらこそ、本当に楽しかったです。

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「普段はどんな仕事をしているのですか。」

私達は普段から演奏をしています。
八木さんは、お寺のお坊様なのですよ。

最後に立派なお言葉をいただき、
コンサートは終りました。
今年最後の訪問コンサートも、
深く心に残る経験となりました。

(石川 髙)

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2017年12月14日 (木)

国立病院機構 下志津病院/訪問コンサート

秋も深まる中、
千葉の下志津病院にお邪魔しました。
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2017年11月22日 訪問コンサート

国立病院機構 下志津病院

<訪問した演奏家>
さわい筝アンサンブル (筝)
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*さわい筝アンサンブルのメンバーより、
文章を寄せていただきました。

今回ミュージック・シェアリングに
初めて参加させていただいた。
場所は千葉県四街道市にある下志津病院。
箏の演奏者7人によるコンサートと
箏の体験コーナーを行った。

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複数回参加しているメンバーによると、
今までは特別支援学校や小学校での開催が多く、
円滑に進行できるのか多少の不安はあったが、
病院側のスタッフのみなさんのお力添えで
終演までスムーズに開催できた。

演奏曲目は
1.鷹(沢井忠夫作曲) 
2.六段の調べ(八橋検校作曲)
3.鳥のように(沢井忠夫作曲) 
4.さくらさくら(日本古謡)
であった。

聴いていただく方は車椅子やベッドで移動される
重い症状の患者の皆さん。
初めはお箏を聴いて楽しんでくれるのか心配であった。
しかし、演奏を開始するとその杞憂はすぐに吹き飛んだ。
テンポの速い激しい曲は声をあげたり
体を揺らして音楽に乗り、ゆったりとした曲の時は
静かに深く音楽を聴いてくれていた。

体験コーナーでは、患者さんの前に箏を運び
指で糸を弾いたり、手のひらで糸を打ってもらい、
箏の音色を楽しんでもらった。

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最後のさくらさくらは会場にいる方全員に歌っていただき、
盛り上がった雰囲気の中、コンサートは終了した。


その後、会場に来られなかった子どもたちや患者さんのために、
別会場でのミニコンサートや病室を訪問しての演奏を行った。

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そこでも集中して音楽に耳を傾けている皆さんの姿があり、
演奏者として、とてもやり易く楽しい時間を共有できた。

音楽は誰の心にもダイレクトに届く
すばらしい芸術であることを再確認した。
また、常に患者さんに優しく声をかけている
病院のスタッフのみなさんの
献身的な看護に頭が下がった。


普段の生活では出会う機会のない患者の皆さんと
触れあって色々と考えさせられた。
重い障害を持ちながらも
懸命に頑張っている姿に心から感動した。

これからも箏の演奏を通してこのような活動に
積極的に関わっていきたいと思う。

(片岡 啓一)

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2017年12月11日 (月)

クラシックギター訪問コンサート/大阪市立総合医療センター&国立成育医療研究センター病院

皆さん、こんにちは。

10月と11月の
ギターの訪問コンサートのご報告です。
2017年はギターの村治さんと2か所にお邪魔しました。
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2017年10月25日 訪問コンサート
大阪市立総合医療センター

2017年11月8日 訪問コンサート
国立成育医療研究センター病院
都立光明学園そよ風分教室(院内)

<訪問した演奏家>
村治 奏一(ギター)
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*村治さんご本人より、文章を寄せていただきました。


クラシックギタリストの村治奏一です。
ここ数年、毎年参加させていただいている
学校訪問プログラム。
今年は初めて、小学校以外の施設を訪れました。

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まず10月は、大阪の大阪市立総合医療センター。
ちょうどハロウィンの季節でしたので、
演奏する空間を患者さんやスタッフの方が
飾り付けをして迎えてくださいました。
中学生や高校生の患者さんの他、
小学生以下の小さな患者さんも
沢山聴きに集まってくれました。


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ゆっくりな曲は集中して、
リズミカルな曲では体を揺らして、
演奏を楽しんでくれているようでした。
普段の演奏会以上に、
聴いてくれる方々の反応を
身近に感じることができて、
僕自身、とても有意義な時間を
過ごさせてもらいました。

大阪訪問の2週間後には、
東京成城にある
国立成育医療研究センター病院へ。
こちらでも幼児から高校生までの患者さん達と、
親御さん達にもギターの音色を聴いていただきました。

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大阪市立総合医療センターの時は子供さん向けに、
20分ほどの短いプログラムを用意したのですが、
こちらでは年齢層が少しだけ高めということもあって、
通常の演奏会のプログラムから
40分ほどのプログラムを編成。
現代曲からバロック作品、映画作品まで
幅広く聴いていただきました。

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もともとクラシックギターというのは
どこへでも持ち運べ、
一人でも演奏することが可能な楽器。
普段、クラシックの音楽に触れる機会が少ない
学生さん達のほか、
今回聴いていただいた方々のように
外での音楽会・イベントに
なかなか出かけられない方達のためにも
生の演奏をこれからもお届けして行きたいと、
想いを新たにした訪問公演でした。

(村治 奏一)

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2017年12月 4日 (月)

鳩山町立鳩山小学校/訪問コンサート

次は、マスタークラスの翌週に開催した
鳩山町立鳩山小学校の訪問コンサートの
紹介です。

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2017年11月21日
訪問コンサート
鳩山町立鳩山小学校

<訪問した演奏家>
石川 髙(笙)
中村 仁美(篳篥)
八木 千暁(龍笛)
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↓雅楽奏者(篳篥)中村仁美さんより
文章を寄せていただきました↓

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雲一つない青空と、黄色や赤や茶色に色づいた木々と山々。
ちょっと肌寒いけれど気持ちの良い一日を、
比企郡鳩山町の鳩山小学校で過ごしました。

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訪問コンサートは6年生対象。
1~5年生の計6クラスへは、5分ずつクラス訪問をします。


いつもの教室でお勉強をしている途中に、
突然、平安時代みたいな装束を着て、烏帽子をかぶった人が、
笛を吹きながら入ってくるんだからびっくりしますよね!
子どもたちは目を丸くして、
わー、すごーい、何だろう、音デカイ、と表情豊かに、
声にも出しながら伝えてくれます。

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特に1、2年生は心や表情が素直に開けていて、
大きな目に吸い込まれそう。初めて
見るもの聴くものをそのまま受け止めて、
吸収しているのが良くわかります。
「これなんでできてる?」
「木!」「竹!」なんていうやり取りもとっても楽しい。
子どもはこんな風になんでも柔らかく学んでいけて
本当にうらやましいなあ。
素直な子どもの反応に、自分も若返る気がします。
ほんの5分けれど、笙・篳篥・龍笛の音を
すぐ目の前で聴いたことを、覚えていてくれたら嬉しいなあ、
覚えていなくても体の中に何かが残ってくれますように。


6年生の訪問コンサートでは、クイズを出しました。
鍵盤ハーモニカと音の出る仕組みが同じ楽器はどれ?

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答えは笙。


分解するとどちらにも金属の薄い板(リード)がつ
いていて、これが震えて音になるんですね。
アコーディオンにも金属のリードがついています。
楽器からどうして音がでるのか。
雅楽を手掛かりに興味をもってくれたらいいな。

最後にいろんな質問が出ましたが、
校長先生からは
「この子たちが雅楽の楽器を吹いてみたいと思ったら、
どうしたらよいでしょう?」との質問。
神社やお寺などには雅楽を演奏する方々がいて、
各地の雅楽会で練習をされているようですね。
雅楽の授業がある大学もありますし、
カルチャーセンターにも雅楽の教室が時々あります。
通信販売で楽器を買って、
独学で吹けるようになる人もいますよ。

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今日出会った子どもたちの中から、
雅楽を演奏する人や、雅楽を聴きに行くのが
大好きな人が育っていくかもしれませんね。
小さな種まきをさせていただいた一日でした。

(中村 仁美)


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