国立病院機構米沢病院/雅楽訪問コンサート
いよいよ秋の訪問プログラムが始まりました♪
最初の訪問は山形県米沢市にある
国立病院機構米沢病院です!
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2018年9月28日
雅楽訪問コンサート
国立病院機構米沢病院
<訪問した演奏家>
石川 高(笙)
中村 仁美(篳篥)
八木 千暁(龍笛)
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↓雅楽奏者(篳篥)八木千暁さんより
文章を寄せていただきました↓
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秋晴れのさわやかな日、
山形県米沢市「国立病院機構米沢病院」に
おじゃまいたしました。
病院に到着し控室に行く廊下では、
窓にはられた色鮮やかなイルカやクラゲのシールが
日の光に照らされ、廊下に映し出されて
水族館に来たようでとても素敵でした。
「米沢病院」へは3年ぶりの訪問です。
メンバーと進行の打合わせや楽器を準備し、
まず病室へおじゃまいたしました。
演奏しながら部屋に入ると、
皆さんわくわくして曲を聴いてくださいました。
雅楽の音色に感動して、涙を流している方もいました。
ホールでのコンサートにも大勢の方が
集まってくれました。
「壱越調」(いちこつちょう)の「調子」(ちょうし)を
演奏しながらホールに入場し、演奏会の開始です。
続いて「春鶯囀の遊声」(しゅんのうでん・ゆうせい)を
演奏しました。
春鶯囀は「タ~リ・タ~リ」(ミ~レ・ミ~レ)とテーマが
繰り返される名曲で、メンバーも大好きな一曲です。
次に雅楽でもっとも有名な「越天楽」の冒頭を演奏し、
皆さんには篳篥の唱歌(しょうが)を歌って
体験していただきました。
篳篥には塩梅(えんばい)という
音をなめらかに移行する奏法があり、
唱歌を歌ってその流れをつかむのですが、
皆さん一生懸命歌ってくれました。
雅楽で使う笙、篳篥、龍笛の説明に続き、
楽器に触れていただきました。
中には音が出た方もいて、会場は大盛り上がり。
私たちも「越天楽」を演奏しながら皆さんの周りをまわり、
ふれあいのひと時を楽しみました。
朗詠(ろうえい)の「嘉辰」(かしん)を歌いました。
漢詩に旋律を付した朗詠は、
母音を長く伸ばして歌う雅楽の歌物(うたいもの)の一つで、
一緒に声を出してくださる方もいました。
舞楽「胡飲酒」(こんじゅ)の舞の手を体験していただき、
「胡飲酒」の演奏をお聞きいただきました。
ゆったりした管絃楽の演奏と違い、
舞楽では力強い演奏を心がけています。
おもわず体が動いてしまいますね。
最後におだやかな曲調の「五常楽」を演奏いたしました。
あっという間の時間でしたが、患者さん、先生方と共に
雅楽を楽しむ貴重な時間となりました。
我々の演奏後、代表の方々によるベルの演奏を
聞かせていただきました。
先生の指揮に合わせて一生懸命演奏する姿、
奏でられるベルの澄んだ音色に感動いたしました。
先生からうかがった話では、
訪問コンサートがきっかけでベルの演奏を始めたそうですが、
中にはリハビリの運動より効果があった方もいるそうです。
院長先生や先生方のあたたかな気持ちに触れる一日となり、
米沢を後にいたしました。
皆さんありがとうございました。
(八木 千暁)
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