秋津療育園/雅楽訪問コンサート
10月29日(火)と11月14日(木)には
秋津療育園を訪問しました!
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2019年10月29日(火)
2019年11月14日(木)
雅楽訪問コンサート
社会福祉法人 天童会 秋津療育園
<訪問した演奏家>
石川高(笙)
中村仁美(篳篥)
八木千暁(龍笛)
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↓演奏者の石川高さんより、
文章を寄せていただきました。↓
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2019年10月29日(火)
秋津療育園/雅楽訪問コンサート 石川高 記
秋津と言えば、私の家から電車で20分ほどのところです。
御近所の皆様と雅楽を楽しむこの日を、心待ちにしておりました。
駅までお迎えに来ていただき、
静かな住宅街のなかの療育園に到着して、さっそく準備です。
さて、演奏会の始まりです。
会場の大きな広間に入ってゆくと、
皆様が待っていてくださいました。
外は雨でしたが、部屋のなかには、
和やかな暖かい雰囲気がありました。
笙、篳篥、龍笛の響きに、
こちらを向いたお顔が明るく変わってゆくのが観えます。
楽しんでくださっている様子がわかると、
私達演奏者も楽器の響きがよくなるのですよ。
職員の皆様にも参加していただき、
篳篥の「唱歌(しょうが)」を歌いました。
そして、楽器に触れていただきながら、私達が演奏しました。
園長先生も笙に挑戦してくださいました。
車椅子の間を演奏しながら歩いてゆくと、色々な表情に出会います。
目の輝きや、身体の動きに活きいきとした反応を感じて、うれしくなりました。
そして、質問のコーナーでは、園長先生から、
「でんでん太鼓にしょうの笛という歌がありますが、雅楽の笙のことなのでしょうか。」
という御質問をいただきました。
江戸時代には、伊勢参りのおみやげに、
「しょうの笛」という、笙のミニチュアの様な玩具があったそうです。
現物はひとつも残っていませんが、
当時の着物の柄やお弁当箱の蒔絵に、
他のおもちゃに混ざって、笙に似た小さな楽器が描かれています。
コンサートの後、直接病棟にうかがいました。
廊下を三人で演奏しながら歩き、皆様の部屋を訪れると、
ちょっと思いがけない感じでこちらを見ている方もいらっしゃいました。
奥のじゅうたんの部屋にゆき、楽器の紹介をしました。
三つの楽器の響きを楽しんでいただけたでしょうか。とても楽しい、充実した一日でした。
一月には、皆様で初詣にいらっしゃるとうかがいました。
そのとき神社には雅楽が響いていると思います。今日のことを思い出してくださいね。
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